食品ロス その1

 テレビやインターネットなどでよく取り上げられるので、今回の「食品ロス」については、ご存知の方も多いと思います。
 お口や歯の健康とは直接関係ないように聞こえますが、食品ロス削減の取り組みのなかには、健康につながる取り組みもあるので、そのことも見ていきたいと思います。
 食品ロスとは、本来食べられるにも関わらず、捨てられてしまう食べ物のことです。
 日本の場合を見ると令和2年の推計値で500万トンを超えています。
 これもおおよそですが、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料支援量が400万トン強と言われていますから、我々は、それよりも多くの食品ロスを出していることになります。
 イメージしやすく言うと、国民全員が毎日お茶碗約 1杯分くらいの食べ物を捨てていることになるそうです。

 日本をはじめ先進国における食品ロスは大きく分けると2つに分かれます。
 ひとつは、事業系ロスと言われるもので、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど小売店での売れ残りや返品、飲食店での食べ残し、売り物にならない規格外品などです。
 もうひとつが、家での料理の作り過ぎによる食べ残しや、買ったのに使わずに捨ててしまうこと、料理を作る時の皮のむき過ぎなどの家庭から出るロス、家庭系ロスです。
 日本の場合、事業系ロスと家庭系ロスの割合は、およそ半分ずつとなっています。

 食品ロスの削減のためにできることを考えてみましょう。
調べてみると、個人や家庭レベルでできることがたくさんあります。一方、社会全体で取り組むべき課題もあるようです。
個人や家庭レベルでできることとして、家庭系ロスでみれば、
・買い物時…1.買い物前に冷蔵庫にある食材をチェックして、必要なものを使う分、食べられる量だけ買う
2.賞味期限・消費期限をチェックして使うタイミングに合わせて買う、徒に期限の長いものを選ばない(「てまえどり」をこころがけましょう)。
・調理の工夫…1.作り過ぎない、2.ニンジン・大根の皮や葉には、βカロテンやミネラルが多く含まれているように、過剰除去している部分の栄養素にも注目して、おいしく調理する方法を工夫する…など。
一回のコラムでは書ききれませんでした。次回コラムに続きます。