顎関節症の予防と再発防止
口の開け閉めで音が鳴る、口を大きく開けられない、食事中に顎が痛い といった症状が代表的な顎関節症は、軽いものも含めれば半数近い人が経験しているとも言われています。多くの場合は症状も軽く、ほおっておいてもよくなることが多いですが、稀には食事が取れなくなったり、手術をしないとならなくなる場合もあります。また再発することが多いという特徴もあります。
噛みしめ、歯ぎしり、噛み癖など顎に負担をかけるような生活習慣や精神的なストレスなどの要因が重なり合って発症するので、それらを少しでも緩和できれば、予防や再発の防止につながります。
噛みしめ、歯ぎしり…仕事に集中するときなど思わず食いしばってしまわないよう、ふだんから
意識して顎まわりをリラックスしましょう。寝ているときに噛みしめや歯ぎしりをする人は
マウスピースを使うことで防ぐことができます。
噛み癖…
どちらの歯でも噛むように意識します。むし歯や入れ歯など噛めない原因となるものがあるのであれば、治しましょう。
ストレス…現代社会でストレスなく生活するのは難しいですが、できるだけ
ためないことと、発散する方法を見つけておくといいかもしれません。
その他…顎や筋肉に負担をかけるような癖や習慣も意識して気をつけましょう。具体的には
頬杖やうつぶせ寝、口呼吸、猫背やパソコンに向かうときの前傾姿勢、いつも同じ足を組んで座る、などです。
顎まわりの筋肉の緊張をほぐすような
マッサージなども習慣化できればよりよいでしょう。側頭筋(こめかみあたり)、咬筋(頬骨の下のくぼみあたり)、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん、鎖骨から耳の後ろにのびる筋肉)などが、顎関節と関わっているので、この部分のコリをほぐしてあげると効果があります。
私たちは日常生活の中で、無意識のうちに顎に負担をかける動作を取ってしまっています。顎関節症の予防と再発防止には、顎に負担をかける癖や姿勢を自覚して注意し、気づいたら改めることが大切です。