お茶と歯の健康
忙しい現代の食卓では、もうあまり見かけられない風景かもしれませんが、我々日本人は食後に日本茶を飲んで、ゆっくりと口をすすいだりしたものです。
なんだか、口の中がさっぱりして気持ちの良いものです。
日本人がお茶を飲まなくなったかといえば、コンビニに並んでいる緑茶の種類の豊富さをみれば、飲む場所やシチュエーションが変わっただけで、日本茶好きは変わっていないのかもしれません。
そんな緑茶ですが、実はお口のなかでも役に立ってくれていて、
むし歯や歯周病を防いだり、口臭を抑える働きを持っているのです。
緑茶にはさまざまな成分が含まれていますが、そのなかに含まれる
ポリフェノールの一種である
カテキンは、むし歯や歯周病に対して良い効果をもたらすことがわかっています。
ポリフェノールは植物が紫外線などの有害物質から身を守るために持っている成分で、強い抗酸化力があり細菌やウイルスの働きを抑制する効果があります。
その
抗菌作用、抗酸化作用を受け継いだカテキンがむし歯に対しても有効なのです。
またカテキンはタンパク質にくっつく性質があり、タンパク質でできている
虫歯菌にくっつき、虫歯菌の動きを抑制して増殖を防ぐことができると言われています。
さらにカテキンは、
歯垢の付着を抑制する働きや、
歯垢を合成する酵素の働きを阻害する効果もあり、二重三重の構えで虫歯を予防します。
歯周病に対してもカテキンは、
歯周病の原因菌に対して抗菌性があるほか、歯槽骨の吸収に関係するコラゲナーゼなどの
酵素の活性化を抑えます。
ほかにも、緑茶には歯を強くする働きを持つ
フッ素が含まれていることもよく知られています。
さらに、緑茶に含まれる
フラボノイドは、口臭に対して有効です。
カテキンの役に立つ働きを書いてきましたが、注意点もあります。ポリフェノールにはタンニンも含まれるので、
歯の着色の原因となります。
お茶のなかでも、緑茶や、ウーロン茶、紅茶などはポリフェノールの量が多いため、歯に色素が付きやすいと言われています。
また
カフェインも含まれているので、飲み過ぎには注意しましょう。
カテキンはむし歯予防やお口まわり以外にも、
がん予防、食中毒予防、老化抑制、肥満予防効果などさまざまな健康効果をうたわれている成分なので、適量を毎日飲むような習慣をつけるとよいでしょう。