舌磨きのススメ

 鏡の前で舌を出してみてください。ピンクの舌の表面にうっすらと白い苔のようなものがついていませんか。
これは舌苔(ぜったい)と呼ばれるもので、細菌や食べかす、古くなってはがれた粘膜などが舌の表面に付着してできた白い苔状のかたまりです。誰にでも多少はついているもので、神経質になる必要はありませんが、分厚くついていると味を感じにくかったり、口臭の原因になったりします。舌のお手入れ=舌磨きで舌苔のつき過ぎを防ぎましょう。
 舌磨きに使う道具は、歯ブラシでもいいのですが、少し硬すぎてデリケートな舌の表面を傷つけてしまう恐れがあります。専用の舌ブラシを使用した方がよいかもしれません。舌専用のクリーニングジェルを合わせて使うのもよいでしょう。
 歯磨きは、食事のあとや就寝前など1日に何度かした方がよいことはご存知かと思いますが、舌磨きは、舌の粘膜を傷つけてしまうこともあるので、1日1回で十分でしょう。
 朝は舌苔の付着量が多いので、朝の歯磨きのあとに行うと効果的です。舌磨きのときに口が乾いているようだと、これもまた舌を傷つけてしまうので、口のなかを湿らせてから磨きましょう。

 舌磨きを行うときは、鏡を見ながらにしましょう。舌苔がついている部分を確認しながらブラシをあてます。舌苔のついていない部分は磨く必要はありません。
舌の奥の方に舌苔がついているかもしれないので、舌はできるだけ前に出します。ブラシを口の奥に入れたときに「おえっ」となる(嘔吐反射)のを防ぐこともできます。
 磨くときは、粘膜や味を感じる味蕾(みらい)を傷つけないよう、優しく軽い力で磨くことを心掛けてください。
 ブラシは舌の奥から手前に動かします。ブラシを舌苔の一番奥に当て、軽い力で手前に引くように行います。一度引くごとに舌ブラシを水で洗います。ブラシに汚れがつかなくなるまで繰り返します。ブラシを手前から奥に動かしたり、前後に往復させたりするのはよくありません。
1回の舌磨きでは汚れはキレイにならないかもしれません。強くこすったりせずに毎日の舌磨きで根気良く汚れを落とします。

 口臭が気になっている人であっても、舌磨きを習慣化している人はまだまだ少ないようです。口臭が気になる人もそうでない人も舌磨きをして、不安を少しでも取り除きましょう。