歯髄は、歯に栄養を送ったり、外からの刺激を感じ取ったりする大切な役割を担っています。しかし、虫歯が進行してこの歯髄まで細菌が入り込むと、強い炎症が起きて激しい痛みとなるのです。
初期の段階では、冷たい飲み物がしみる、甘いものを食べたときにチクっと痛むなどの症状が現れますが、やがて何もしていないときでもズキズキとした痛みが続くようになります。
特に夜中はまわりが静かで気がまぎれにくく、副交感神経が優位になって感覚が鋭くなり、痛みに意識が向いてしまうため、いっそうつらく感じて眠れないこともあります。
市販の痛み止めでは一時的に症状がやわらぐこともありますが、根本的な解決にはなりません。
治療では、炎症を起こした歯髄を取り除く「抜髄(ばつずい)」という処置を行うのが一般的です。この治療で痛みはなくなりますが、神経を失った歯は弱くなり時間が経つと、割れてしまったり再治療が必要になったりすることがあります。
そのように考えるともっとも大切なのは「予防」です。毎日のていねいな歯みがきに加えて、定期的に歯科検診を受けることで、虫歯を早い段階で発見し、重症化を防ぐことができます。