噛むことと「冷え症」

 これまでのコラムのなかで、何度か噛むことが歯やお口、さらには全身の健康にも良いことを書いてきました。噛むことと「冷え症」
 主なものを上げるだけでも
・唾液がたくさん出て、口のなかが清潔になる、酸を中和してくれてむし歯を防ぐ
・顎が発達するので、歯並びやかみ合わせが良くなる、発音が良くなるし顔の表情も豊かになる
・消化を助け、内臓の負担を軽くする、満腹感が早く得られ食べ過ぎを防ぎダイエット効果
脳の活性化、老化防止、ストレス解消 などがありました。

 今回は、「冷え症」にも効果があるというお話です。
日本人の咀嚼回数は邪馬台国の卑弥呼の時代の1/6、戦前と比べても1/2 になっているといわれています。
一方で体温のほうはこの60年くらいの間に1℃以上下がっています。この二つの数字の因果関係はわかりませんが、よく噛むことで体温が上昇することが分かってきています。
 よく噛むと、脳が刺激され、ヒスタミンという脳内物質が分泌されます。ヒスタミンには、内臓脂肪を分解する働きがあり、脂肪が燃焼し、熱を生み出すのです。その結果、体温が上昇して「冷え」の改善につながります。
 これは食事誘導性熱産生と言われ体全体の代謝の10%を占めています。食事をした後に、なんだか身体が温かくなったり、汗をかいたりするのはこのためです。

 よく噛むと「冷え」も改善するという仕組みがお分かりいただけたと思います。
ちなみに、何も食べなくもて噛むときの筋肉さえ動いていれば体温は上昇します。寒いと歯がガチガチとなってしまうのはそのためです。冷えを感じたらガムを噛んだり、軽い噛み締め運動ををするのもよいでしょう。