お子さんの口腔ケア


 虫歯特有のあの辛い痛みは、誰もが経験したくないものでしょう。そしてなにより、虫歯を作ってしまうと、それは一生涯回復することはありません。しかし、幼いときに、正しいお口のケアの方法さえ、身につけさせてあげれば、その苦しみや悲しみを知らずに、一生を送ることができます。今回は、子供の口腔ケアについて、年齢ごとにいくつかの段階に分けて見ていきます。

0~2歳くらいまで・・・乳歯は、生後6ヶ月くらいから生え始めます。お子さんはまだ自分で磨くことはできませんから、保護者が磨いてあげてください。歯磨きの方法は、子供を寝かせて頭をひざの上に載せ、後ろから磨くと良いでしょう。乳歯は虫歯になりやすいので、しっかりと磨きましょう。虫歯菌は就寝中に、より繁殖するので、就寝前の歯磨きは特に重要です。
 虫歯菌は、外部から入ってきて感染します。そして、乳歯が生え始めてから、2歳半くらいまでが虫歯菌に感染しやすい時期です。食べ物を保護者が咀嚼してから与える、フーフーと冷ませてから与える、スプーンを使いまわす、不衛生な口でキスをする、といったことは、感染の可能性があるので避けましょう。 保護者が自身の口腔ケアを徹底して、虫歯菌の量を減らしておく努力も重要です。

2歳~5歳・・・2歳くらいから、自分で磨く練習を始めます。もちろん完璧には磨けませんから、後で保護者が仕上げ磨きを行ってください。仕上げ磨きは、子供を立たせてその後ろに立ち、子供の頭をお腹と腕で固定して磨きます。5歳くらいまでは、仕上げ磨きをしたほうが良いでしょう。子供が歯ブラシを口に入れるのを嫌がるときは、野菜スティックなどを食事に出して慣れさせる、という方法もあります。

  十分なケアを行ってきても、虫歯ができてしまった場合、乳歯が生え変わるからといって、そのままにせず、治療をしておくことが重要です。虫歯をそのままにしておくと、口腔内の虫歯菌がどうしても多くなってしまい、やがて生えてくる永久歯が虫歯になるリスクが高くなるからです。

6歳から・・・永久歯が生え始めると、生える途中の部分は食べカスがたまりやすくなります。生え変わりのときは、乳歯と永久歯が混在して、並びが複雑になるので、磨きにくくなります。自分で磨かせるのが基本ですが、小学校低学年くらいまでは、磨き残しがないかをチェックしてあげると良いでしょう。

高学年になるにつれ、自分で完全に磨けるよう教えていきます。

以上のような、ちょっとした習慣を身につけさせるだけで、お子さんを虫歯の痛みを知らない、美しい歯の子供に育ててあげることができるとしたら、すばらしいと思いませんか。